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苦しい生活を抜け出すための不動産投資・辿り着いたビジネスモデル|吉谷 卓也さん

2024年7月3日

全日本不動産協会 大阪府本部 北支部
株式会社サクシード 代表取締役
吉谷 卓也さん

苦しい生活から攻めの「不動産投資」

私は、独立するまで不動産会社に勤めたことがなく、元々は製薬会社で営業をしていました。2014年頃、製薬会社勤務時代に離婚をしまして、それがキッカケで生活が苦しくなったんです。私に原因があって離婚したわけではなかったのですが、財産分与でほとんどのお金を渡しまして、さらに給与で扶養控除されていた分がなくなったことで、一時的にですが手取りが数万円になる期間が発生しました。

貯金も渡していたため、生活ができなくなり、電気・水道が止まったりもしまして、当時は「本当にどうしたものか」という感じでしたね。そこで思いついたのが不動産投資です。元々、不動産の物件を見るのが好きだったこともあり「攻めの手にでよう」ということで、不動産投資を通じて生活を安定させようと考えました。当時はもう失うものがない状況でしたから、借金することも苦にならなかったんですよね(笑)

今でこそ副業・複業って一般的になってきましたけど、当時は「今勤めている会社だけだと生活していけないのではないか」と不安だった部分も大きく、不労所得が安定的に入ってくる収入が欲しかったんです。不動産投資は借金しても毎月家賃でキャッシュフローが発生して返済もできますから、良い選択肢に映りました。

M&A仲介会社に転職

それで親に頼み込んで、反対されながらもお金を借り、法人を作ってそこで1棟もののアパートを買いました。当時は銀行も積極的でしたし、そこから買い増して結局7棟まで増やしましたね。そんな中、勤めていた製薬会社で営業から本社配属になり、M&Aや買収後の経営統合(PMI)を見て「M&Aって面白いな」と興味を持ちました。製薬会社には12〜13年勤めていましたが、M&A仲介会社に転職することにしました。

転職してM&Aについて学びながら、不動産投資も継続していたのですが、保有している不動産の値段も上がっていたので、売却することにしました。それで売却時のシミュレーションをしていたら、税金の額がすごくて。借入の残債もあったので、売却で利益が出た分から税金をひくと手元にほとんど残らないことが分かりました。

私の場合、法人で不動産を所有していたので、個人で不動産を所有しているのに比べて、売却で得た利益=会社の利益への課税になるため、税額が大きかったというのもあります。それでも「借金してリスクをとって不動産を買っても、売却時に税金でほとんどなくなってしまうのか」という落胆がありました。

思いついたビジネスモデル

M&A仲介会社で働いて学んだことがいくつかあり、1つ目は「M&Aは税制優遇される」ということがあります。2つ目は「会社をM&Aをする際の評価付けで、会社が保有している不動産は簿価や路線価で評価されることが多い」ということです。不動産単品で流通・売却した方が高い値段がつくことの方が多いのですが、M&Aの対象はその会社・事業・従業員の方・事業ノウハウといったものが多いので、保有している不動産はそこまで重視されないことが多い。

そこで思いついたのが、不動産を所有している会社を分割したり、事業譲渡したりして、事業と不動産を切り分けて不動産のみを保有している会社の株式をM&Aで売却するスキームです。これなら、M&Aの税制優遇を受けつつ、事業は不動産の所有・管理のみなので、不動産を市場で売却する時と同じ目線で評価付けができます。

この方法で、私も7棟あった物件を売却、現在は1棟だけを保有しています。実際、お付き合いのあった売り主さんも税金で悩まれている方が多かったので、これは広くニーズがあるのではと思いました。そこで一念発起し、不動産専門のM&A会社として独立したという経緯です。不動産で独立する上で、私は不動産業に勤務したこともなく、普通の事業をやっていても厳しいなと感じていたので、このビジネスモデルを思いついて自分自身の体験として実績を上げられたことが、独立開業の大きな後押しになりましたね。

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