全日本不動産協会 大阪府本部 大阪南支部
株式会社家の森 代表取締役
本村 嘉津俊さん
独立は20代の頃からの計画
私は今39歳で、独立したのは32歳頃だったのですが、24−25歳の頃には「30歳くらいで独立しよう」と決めていました。そのため独立の準備として働きながら資金も貯めていましたね。
独立を志した理由を振り返って考えてみると、兄の存在は大きかったかもしれません。私は中学校もまともに行かなかった反面、兄は大学まで卒業して、現在は江坂で不動産賃貸業を営んでいます。子供の頃から兄と比べられて、反発心がありましたね。「兄を超えたい」気持ちが強かったという方が正確かもしれません。
独立に向け、不動産で順調に結果を出す
18歳で車が好きで車の仕事をはじめました。ただ、あまり稼げないなと、もっと大きいものを売れば稼げるんじゃないかと考え、不動産の会社に転職しました。最初はそんなノリでした。
売買の営業からスタートしたのですが、厳しくて最初は仕事さえ覚えればと必死で、それでも2年頑張りまして仕事を覚え退職し、次はフルコミ営業にいき、半年で1件しか売れなかったですね。自分の実力を実感しました。それでも続けていくと段々と結果が出てくるようになり、仕事内容の幅も広がっていきました。結局、独立するまでに不動産会社3社で修行させていただきました。
3社目の会社では、営業チームを統括するようになりました。プレイヤーとしてもフルコミの限界が分かるレベルまで販売をしていましたね。人1人が限界まで働いて出せる成果の限界という感じです。毎日、深夜2時頃まで働いていましたし、でもそのお陰で独立の軍資金はしっかり貯めることができましたね。なにより20歳で不動産業界に飛び込んでから12年間、しっかり仕事で結果を出してきたので、独立しても上手くやっていける自信がありましたね。
いよいよ独立するも、異なる価値観に苦労
勤めていた会社からは、かなり引き止められたというか、辞めさせてもらえなかったというか(笑)そんな状態でしたが、退職しまして32歳で独立しました。最後に勤めていた会社の上司が、独立する時に参加してくれまして、3人でのスタートでした。

自信をもって独立したわけですけど、人の問題でかなり苦労したんですよね。苦労というか、ショックでもあり、新たな気付きもあったんですが。つまり、私は20代から独立を目指してほぼ計画通りに独立した、その間バリバリと向上心と野心をもって働いてきたので、仕事が中心の生活だったんですよね。これが普通だと思っていた。
でも採用して働いていると、特に若い世代は「稼ぐ」ことより、プライベートの充実やライフワークバランスを重視する価値観が想像以上に多かったんです。自分とは全く異なる価値観で、最初はマネジメントがうまくいきませんでした。社員旅行に行ったり福利厚生を強化してみたりしましたが、お金も気持ちも投資した分、辞められた時のショックというのは大きかったですね。
そこから事業の分担や採用基準、重視する指標などマネジメント自体を大きく変え、現在は上手く回るようになりました。今は、従業員やスタッフが長く働ける良い会社を目指しています。
個人的な感覚では、バリバリ働きたい・稼ぎたいというふうな価値感を持っているのは5人に1人くらい。だから、今の時代「独立したい」と考えている人は貴重だなと思っています。もし独立したい方がいるなら、是非チャレンジしてほしいなと考えていますよ。