全日本不動産協会 大阪府本部 中央支部
Ace Japan合同会社 代表
藤井 純子さん
医療業界で着実にキャリアを積み上げる
私は2022年5月に起業しました。それまでは医療業界で働いていて、不動産とは全く縁のない世界にいました。小学生の頃から、祖母が糖尿病で通院するのに付き添ったりしていたので、付き添った先で目にする医師や看護師など医療業界で働く方に憧れていましたね。そのため学校を卒業して最初は病院に就職しました。その後、お薬の開発を支援する治験の会社や医療機器の代理店、医療機器メーカーに勤めました。
病院ではいろいろな経験と勉強をさせてもらって、最後は臨床工学技士として安全管理部門の責任者として働き、医療機器メーカーでは国産第1号の手術支援ロボットシステムの開発事業に携わりました。この時は、まだ社員も30名くらいで各チームに数名くらいしかいなかったこともあり、人員配置や予算配分など経営面の勉強にもなりましたね。
資産運用で始めた不動産投資
そのような流れで企業に勤めていたのですが、途中から資産運用を考えはじめました。最初は株式投資やFXから始めたのですが、やっぱり平日昼間は画面を見れないですし、もっと落ち着いてできる方法はないかなと考えた結果、不動産投資に切り替えたんです。
初めの頃は、三点ユニットのワンルームとか、再建築が厳しい建物のような安い物件から買って勉強をしました。そんなところからスタートして、8年で賃貸マンションやアパートで16部屋くらいに増やしました。不動産投資をしていると、入居者さんをつけたり、退去後のリフォームにいくら予算をかけるか、といった具合に1部屋ごとに経営をしているんだなと感じるようになりました。
コロナ禍で不動産の価値を再認識し、一念発起
そうこうしている内に、コロナ禍で仕事環境がリモートになり、私も自宅で仕事をすることになりました。世の中の大勢の人の職場が自宅になったんだと思うと、家や不動産の価値を再認識するようになったんですよね。そう考えたときに、年齢も40代ですから、何かを始めるなら頑張れるうちに1日でも早く始めてみようという気持ちで、不動産業で独立することを決意しました。

医療業界でキャリアを積み上げてきましたから、周りからそれは強烈に引き止めて頂きまして(笑)それでも決意は揺らがなかったので、「絶対に開業する」と心に決めて、仕事の合間に勉強して宅建も取得できました。最初はどこか不動産会社で修行させて頂こうかとも考えましたが、既に自分の物件で不動産会社のつながりも少しできていましたので、ここは思い切って始めてみようと考えていましたね。
独立後は、引き止めて頂いた方からも「応援する」と言って頂けて嬉しかったですね。仕事面では、クリニックの開業のご支援をさせて頂いたり、半身不随の方がお住まいになる物件をご紹介したりと患者さんと触れ合っていた経験や医療業界の知見も活きていますね。全て捨てて異業種に飛び込んだつもりでしたけど、実は経験が活きることも多くて挑戦してよかったなと思っています。