全日本不動産協会 大阪府本部 なにわ南支部
株式会社Next Creation 代表取締役
竹中 陽子さん
独立なんて考えていなかった幼稚園の先生時代
私は、そもそも不動産で独立しようなんて考えてなかったんです。元々、幼稚園の先生として働いていましたから。でも幼稚園で働いていると「これはなんとかしないと」と思うことが多くありました。
一番は、保護者の方に育児ノイローゼの方が多かったことですね。お話を聞いていると「このまま生活を送っていけるのか」という将来への不安と、育児の疲れが重なることが問題ではと感じるようになりました。
この問題をどうにか解決できないかと考えたときに、最初は保育園を運営しようと考えていたのですが、なかなか資金的にも運営的にも大変そうだと感じていました。それに加えて、保育園だと「育児」以外で助けになれるポイントが少ないかもしれないな、という考えもありました。
そもそも短大を出てからすぐに幼稚園教諭になったので、子ども達の保護者の方が働く環境を理解出来ていなかったので会社と言う組織の中で働こうと思い通信会社へ転職しました。
不動産会社ではなく通信会社に転職
そう思いたった結果、幼稚園を退職して通信会社に転職しました。通信会社では、HP制作やソフト販売の仕事をしていましたね。不動産会社で修行しないのかと思われるかもしれないのですが、幼稚園時代に出会った保護者の方が「実際に何で苦労しているのか」をまず身を持って知らなければという思いが強く、私自身も「社会勉強しないと」という思いもありました。
当時、不動産業界の知人が周りに多かったので話を聞いていると、不動産業なら「仕事を提供すること」「住む場所を提供できること」の2つが提供できると気付いたんですね。であれば、不動産事業を行い、その利益の一部を育児支援に回そうと頭を切り替えました。

その後、不動産会社に転職して修行させていただいて、独立できました。独立できたといっても資金もなかったので、国民生活金融公庫から融資してもらい、周りにも色々と協力頂きながら、何とか始めたという状態でしたね(笑)
少しずつ独立前の夢が叶い始めた
そこから5−6年がたち、独立前に考えていたことが徐々に実現できてきたかなと思いだしています。例えば「女性に仕事を提供すること」私達の会社は10人中6人が女性で、積極的に雇用を行っています。2年前には育児に悩むお母さん達の精神的な負担軽減を目指して、古民家を改装したコミュニティハウス「子どもとママの隠れ家わいわい」をオープンしました。
女性から「独立したいのだがどうすればいいか」という相談を受けることも増えてきました。その際に必ず言っているのは「独立できる可能性や能力のある女性は、独立した方がいいですよ」と言っています。今後、このメッセージは、セミナーなどでも発信していくつもりです。
不動産業から色々と幅も広がってきましたが、全ては、独立前に見た「育児に取り組む人が抱える将来への不安」をできるだけ多く解決したいからです。本業の不動産業も含めて、今後もしっかりと経営に取り組んで参ります。